手帳やカレンダーを開くと、日付の隅に大安・仏滅・一粒万倍日・不成就日といった文字が並んでいます。良い日と悪い日が同じマスに書かれていて、結局どう読めばいいのか分からない。そんな戸惑いから検索した方が多いのではないでしょうか。
この記事では、編集部が暦の資料を整理して、カレンダーに書かれた記号がそれぞれ何を基準に決まっているのかと、やりたいことに合わせてどの日を優先すればよいかをまとめました。日付の丸暗記ではなく、自分で読めるようになることを目指しています。


開運カレンダーには何が書かれているのか

最初に結論をお伝えします。開運カレンダーには、六曜・暦注下段・十二直・選日という由来の違う4種類の暦が同時に書かれています。同じ日に複数の呼び名が付くのは、そのためです。
大安と不成就日は矛盾しているのではなく、別々のルールで決まった別々の情報が並んでいるだけ、ということになります。
この構造さえ分かれば、どれを優先するかは自分で選べます。すべてを満たす日を探そうとすると、いつまでも決まりません。
この記事の要点
- カレンダーの1マスには由来の違う4種類の暦が同居している
- 吉日ごとに巡る間隔が違い、天赦日は年5〜6回、一粒万倍日は月4〜6回
- 吉日と凶日が重なった日の扱いは流派で分かれ、決まった答えはない
- やりたいことが決まっていれば、優先する日は自分で選べる
「良い日」「吉日」「開運日」はどう違うのか
カレンダーを見る前に、呼び方の違いを整理しておくと迷いにくくなります。よく混ざる4つを並べると次のようになります。
| 呼び方 | 成り立ち | 指す範囲 | 使われる場面 |
|---|---|---|---|
| 良い日・いい日 | 日常語。表記のゆれで、意味の違いはない | 最も広い。暦に限らず都合の良い日も含む | 会話や検索 |
| 吉日 | 暦の用語。暦注や六曜で良いとされてきた日 | 暦の上で定義される日 | 暦・冠婚葬祭 |
| 開運日 | 近年広まった呼び方。暦の用語ではない | 媒体によって含む日が変わる | メディア・商品名 |
| 大安 | 六曜の6種類のうちの1つ | 1種類の日を指す | 結婚式・改まった行事 |
つまり「良い日」は言葉として最も広く、「大安」は最も狭い範囲を指します。開運日は暦の用語ではないため、どの日を含めるかは媒体ごとに違う点だけ押さえておけば十分です。
検索して出てくる日付が媒体ごとに違うのは、この呼び方の幅が原因のこともあります。
カレンダーの1マスをどう読むか

4種類の暦は、それぞれ違う基準で日を決めています。何を基準にしているかを押さえておけば、用語をすべて覚える必要はありません。
六曜|6種類が順番に巡る
先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6つが順に巡ります。旧暦の月と日を足して求めるため、月が替わるところで並びが飛ぶのが特徴です。
冠婚葬祭の場面で最もよく参照される暦ですが、暦としての歴史は意外に浅く、明治以降に広まったものとされています。
暦注下段|暦の下段に書かれてきた注記
天赦日・神吉日・受死日などがここに含まれます。日の干支と季節の組み合わせで決まるため、六曜のように規則正しくは巡りません。
天赦日が年に5〜6回しかないのは、条件を満たす干支の日が季節ごとに限られているからです。
十二直|12種類が順に巡る古い暦注
建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉の12種類です。かつては六曜より重んじられていた暦注で、作業や方位の向き不向きを示すものとされてきました。
現在のカレンダーでは省かれていることも多く、載っていなくても気にする必要はありません。
選日|六曜にも十二直にも属さない日取り
一粒万倍日・寅の日・巳の日・不成就日・三隣亡などがここに入ります。日の干支や旧暦の日付から独立して決まるため、他の暦とは無関係に重なります。
いま検索されることが多いのはこの選日で、開運カレンダーの主役といってよい存在です。
縁起が良いとされる日の種類と意味

ここからは、吉日として紹介されることの多い日を整理します。由来が違えば向くとされる行動も違うので、意味とセットで覚えると使いやすくなります。
| 日の名前 | どう語られてきたか | 向くとされること |
|---|---|---|
| 一粒万倍日 | 一粒の籾が万倍の稲穂になるという言葉が由来 | 申し込み・貯金や習い事の開始 |
| 天赦日 | 天がすべてを許すとされ、年に5〜6回しかない | 再出発・大きな区切り |
| 寅の日 | 虎は千里を行って千里を帰るという言い伝え | 財布の新調・旅行の支度 |
| 巳の日・己巳の日 | 蛇が財を司る神の使いとされてきた | 金運に関する願い事 |
| 大安 | 六曜のなかで支障が少ないとされる日 | 結婚式・改まった行事 |
| 甲子の日 | 干支が一巡して最初に戻る60日ごとの日 | 長く続けたいことの始まり |
| 新月・満月 | 暦注ではなく月の満ち欠けによる区切り | 新月は始まり、満月は振り返り |
いずれも「そう語られてきた」という言い伝えであり、行動の結果を保証するものではありません。気持ちの区切りをつける目印として使うのが現実的です。
避けたほうがよいとされる日の種類

凶日とされる日も、同じように由来があります。知っておくと迷いが減りますが、恐れる必要はありません。
| 日の名前 | どう語られてきたか | 避けるとされること |
|---|---|---|
| 不成就日 | 何事も成就しにくいとされる選日で、旧暦の月ごとに4日ずつ、およそ8日おきに巡る | 契約・開店・願い事の開始 |
| 仏滅 | 六曜のなかで最も支障が多いとされる日 | 改まった行事・お祝いごと |
| 三隣亡 | 建築に関して避けるとされてきた選日 | 棟上げ・地鎮祭など建築の行事 |
| 受死日 | 暦注下段のなかでも重い凶日とされてきた | 改まった行事全般 |
凶日を気にしすぎないという考え方
凶日は「その日に何かが起きる」という予告ではありません。避けたほうが無難とされてきた、という言い伝えの積み重ねです。
やむを得ず凶日に予定が入っても、心配する必要はありません。当メディアは、凶日を理由にお守りやグッズを購入するようすすめる立場を取りません。
吉日と凶日が重なった日をどう考えるか

暦を並べると、吉日と凶日が同じ日に来る場面は珍しくありません。たとえば一粒万倍日と不成就日は、どちらも独立した決まりで動くため、実際に同じ日付になる日が毎年いくつも生じます。
この場合の扱いについては、解説する人によって説明が分かれます。二つの考え方を並べておきます。
打ち消し合うという説明
吉と凶が同時にあるのだから相殺され、平常の日になるという考え方です。この立場なら、重なった日は避けて別の候補に振り替えるのが分かりやすい対処になります。
力の強いほうが残るという説明
天赦日のように格が高いとされる日は凶日を上回る、という考え方です。この立場に立てば、重なりを理由に予定を動かす必要はありません。
どちらが正しいかを決める根拠はありません。自分が納得できるほうを選んでよいと考えてください。人に押しつける必要もありません。
やりたいこと別|どの日を優先すればいいか

日の種類が分かったら、次は自分の目的に当てはめます。次の表は、やりたいことごとにどの吉日を優先し、どの日を避けるとされるかを由来つきで並べたものです。
| やりたいこと | 優先したい日 | 避けたいとされる日 | その由来 |
|---|---|---|---|
| 財布の新調 | 寅の日・己巳の日 | 不成就日 | 虎と蛇はどちらも金銭にまつわる言い伝えを持つ |
| 契約・開業 | 天赦日・一粒万倍日 | 不成就日・仏滅 | 始めたことが育つとされ、天赦日は区切りに向くとされる |
| 入籍・結婚 | 大安・一粒万倍日 | 仏滅・寅の日 | 寅は「帰る」の連想から避ける説がある |
| 引っ越し | 天赦日・寅の日・大安 | 三隣亡・不成就日 | 寅の日は旅立ちと結びつけられてきた |
| お金を借りる・返す | 返すのは寅の日・巳の日 | 借りるのは一粒万倍日 | 増えるとされる日に借りると負担も増えるという考え方 |
| 買い物 | 一粒万倍日・大安 | 不成就日 | 手元に入るものが増えるとされる連想から |
この表は暦の言い伝えを整理したものです。実際には店舗の営業日や家族の予定のほうが優先されるので、無理に合わせる必要はありません。
吉日はどのくらいの頻度で巡ってくるのか

ここが、開運カレンダーを実際に使えるかどうかの分かれ目です。吉日は種類によって巡ってくる間隔がまったく違います。
数の少ない日を待つと動けなくなる
天赦日は年に5〜6回しかなく、次まで2〜3か月空くことも珍しくありません。この日を待って予定を組もうとすると、思い立ってから動くまでに季節が変わってしまいます。
実際、暦で確認できる直近12か月の天赦日は、2026年10月1日(木)・12月16日(水)、2027年2月28日(日)・4月29日(木)・5月15日(土)・7月14日(水)の6日だけです。
※暦の日付は執筆時点(2026年8月)の情報です。
身近な吉日を使うほうが現実的
一方、一粒万倍日は月に4〜6回、寅の日と巳の日は12日ごとに巡ります。今月中に必ず候補が見つかる頻度です。
年に数回の日を待って動けなくなるより、今月の一粒万倍日に小さく始めるほうが暦の趣旨にも合っています。一粒万倍日はもともと、大きな決断より小さな始まりに向くとされてきた日だからです。
今日が何の日かを自分で調べる方法

暦の情報は、カレンダーアプリや暦の専門サイトで確認できます。日めくり形式のアプリなら、その日の六曜と選日がまとめて表示されます。
ただし情報源によって表記が食い違うことがあるので、大事な日取りを決めるときは2つ以上を見比べてください。
食い違いが起きる理由
主な原因は、季節の区切り(節入り日)の扱いと、流派による選日の数え方の違いです。1日だけずれている場合は、片方が古い暦を参照している可能性もあります。
見比べるときは日付だけでなく曜日も確認してください。曜日が合っていなければ、前年の情報が使い回されている疑いがあります。
暦は判断の材料の一つとして使う
日取りを気にすること自体は、気持ちを整える助けになります。ただし暦を理由に必要な手続きを遅らせるのは本末転倒です。
医療・法律・お金に関わる重大な判断は、占いではなく各分野の専門家にご相談ください。
開運カレンダーについてよくある質問
良い日は選べても、決めきれないときは

良い日を選ぶところまでは自分でできても、そもそも決めていいのかどうかで止まっている人もいます。カレンダーを何度開き直しても、この種の迷いは晴れません。
暦が答えてくれるのは「いつ動くか」までで、「動いていいのか」は別の問いだからです。判断そのものに迷いがあるときは、人に話しながら整理したほうが早いこともあります。
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候補日をいくつも書き出しては消して、決めきれないまま何週間も過ぎているというときに、迷いの中身を人に話してみる場の一例です。料金は1分あたり180〜600円(20円単位・22段階/執筆時点2026年8月・税込/税抜の別は公式サイトでご確認ください)で、初回特典の条件は公式サイトでご確認ください。
※本記事の暦や吉日の解釈は伝統的な解釈・心理的な観点に基づく一般的な傾向であり、科学的に効果や的中を保証するものではありません。参考の一つとしてお読みください。
まとめ:4本の物差しが同居していると分かれば読める
開運カレンダーの1マスには、六曜・暦注下段・十二直・選日という由来の違う暦が同時に書かれています。大安と不成就日が同居していても矛盾ではありません。
すべてを満たす日を探すと、いつまでも決まりません。やりたいことを1つ決めて、それに向くとされる日を優先するのが実用的な使い方です。
そして、数の少ない日を待ちすぎないこと。今月の一粒万倍日に小さく動くほうが、暦のもともとの趣旨にも合っています。