スプレッドを並べたら、隠者が逆さまになって出てきた。ランタンを持った老人の絵が逆さになっているのを見ると、それだけで悪い知らせのように感じてしまいます。
この記事では、隠者の逆位置を引いた位置ごとに読み分ける方法を整理しました。当メディア編集部が、公開されている複数の解説と、原典にあたる解説書の記述を読み比べてまとめています。


【一言でいうと】隠者の逆位置は立ち止まりすぎ・閉じこもりすぎを示すと語られ、悪い結果と決まったわけではない

先に結論をお伝えします。隠者の逆位置は、ひとりで考え込む時間が長くなりすぎている状態として語られることが多いカードです。悪い結果が確定したという読み方はされていません。
正位置の慎重さが、行きすぎて足踏みになっているのか、それとも足りずに雑になっているのか。この見分けが読み方の中心になります。
この記事の要点
- 逆位置は正位置の裏返しとは限らない
- 引いた位置によって読み方が変わる
- 行きすぎか、足りないかで意味が分かれる
- 解説サイトごとに語が違うのは、広がり方の違い
隠者の逆位置のキーワード

まずは手持ちの語をそろえます。隠者の逆位置で使われる語は、大きく4つの群に分けられます。どの群で読むかは、引いた位置と相談内容で決まります。
順に見ていきます。
孤立・引きこもりとして語られる語
ひとりでいる時間が長く、周囲との接点が細くなっている状態を指す語です。閉じこもる、距離を置きすぎる、といった言い回しが使われます。
正位置の「静かに考える」が、量として行きすぎた形と考えると分かりやすくなります。
劣等感・卑屈として語られる語
自分を低く見積もって動けなくなっている状態を指す語です。引け目、自信のなさ、といった言葉が並びます。
この群で読むときは、外側の状況より本人の見方のほうに焦点が当たります。
現実から目をそらすとして語られる語
向き合うべきことを先送りしている状態を指す語です。現実逃避、言い訳、といった語が使われます。
厳しく響きますが、逃げているという断定ではなく「まだ向き合う準備ができていない」という読み方もできます。
秘密・隠しごととして語られる語
何かが伏せられている状態を指す語です。1910年に刊行されたA・E・ウェイト『The Pictorial Key to the Tarot』(邦題『タロット図解』)に記された逆位置の語には、隠すこと・装うこと・打算・恐れ・理由のない用心が挙げられています。
日本語の解説で見かける語の多くは、ここから広がったものと考えられます。
正位置とどう違うか
正位置は、慎重さや内省として語られます。逆位置はその質が変わるというより、量が多すぎるか少なすぎるかに寄って読まれることが多い部類です。
カード全体の意味と絵柄の解説は、正位置を含めた記事にまとめています。
隠者の逆位置を3つの軸で読み分ける

キーワードを丸暗記しても、自分の相談に当てはめる段になると迷います。逆位置は3つの軸のどれで読むかを決めると、格段に扱いやすくなります。
この3軸は、あとに出てくる位置別・テーマ別の読み方すべてに使えます。
正位置の要素が足りていない読み方
慎重さや準備が足りず、確かめないまま進んでいる状態として読みます。急ぎすぎている、下調べが浅い、といった読み取りです。
周囲の状況が動いているのに、自分の手が追いついていない場面で当てはまりやすくなります。
正位置の要素が行きすぎている読み方
考える時間が長くなりすぎて、動けなくなっている状態として読みます。慎重さが足踏みに変わっている形です。
準備は十分なのに踏み出せていないと感じているときは、こちらで読むと噛み合います。
立ち止まりすぎを解く助言としての読み方
「そろそろ人に相談してよい」「ひとりで抱える段階は終わっている」という前向きな助言として読む方法です。アドバイスの位置で出たときに使いやすい読み方になります。
逆位置を必ず否定的に読む必要はありません。
3つのどれで読むかを決める手がかり
迷ったときは、いまの自分が「動きすぎている」のか「止まりすぎている」のかを先に決めてください。そのうえで、周囲に相談できているかどうかを確かめると、3つのうちどれかに絞れます。
どれか一つだけが正解というわけではなく、複数が重なることもあります。
スプレッドの位置別に読む隠者の逆位置

ここがこの記事の中心です。同じ隠者の逆位置でも、置かれた位置によって読み方が変わります。恋愛か仕事かという分け方より、こちらのほうが先に効きます。
よく使われる6つの位置を順に見ていきます。
過去の位置に出たとき
ここまでの経緯として、ひとりで抱えてきた時間があったと読みます。誰にも話さないまま進めてきた、あるいは情報を伏せられていた、という読み取りです。
過去の位置は変えられないので、いまの状況がどこから来たかを説明する材料として使います。
現在の位置に出たとき
いまが立ち止まっている最中だと読みます。考えている時間が長く、外に出す言葉が少なくなっている状態です。
3つの軸のうち「行きすぎ」で読むと当てはまることが多い位置になります。
未来の位置に出たとき
このまま進んだ場合に、ひとりで考える時期が来ると読みます。悪い展開という意味ではなく、静かな期間として説明されます。
そのうえで、相談する相手を先に決めておくと、その期間が短くなりやすくなります。
障害の位置に出たとき
いま止まっている原因が、自分の内側にあると読む位置です。踏み出せない理由が外の事情ではなく、確かめきれていない不安のほうにあるという読み取りになります。
ここで出たときは、何が分かれば動けるのかを書き出すと前に進みやすくなります。
アドバイスの位置に出たとき
「ひとりで抱えるのをやめる」という助言として読みます。逆位置を前向きに読む方法がいちばん効く位置です。
詳しい人に聞く、資料を当たる、といった具体的な行動に落とすと使えます。
最終結果の位置に出たとき
最も不安になる位置ですが、行き止まりではなく、進め方の見直しを促す位置として読むのが一般的です。「いまの進め方のままでは動きにくい」という読み取りになります。
結果が決まったという読み方はしません。やり方を変えれば、そこで読み直すことになります。
テーマ別に読む隠者の逆位置

位置の読み方が決まったら、相談内容に合わせて言葉を置き換えます。3つの軸をそのまま当てはめれば、どのテーマでも読めます。
代表的な5つを挙げます。
恋愛で出たとき
連絡を控えている期間が長い、あるいは気持ちを伝えないまま時間が経っている、という読み取りが中心です。相手が離れたという意味には取りません。
行きすぎで読むなら「様子を見すぎている」、足りないで読むなら「確かめずに動いている」となります。
相手の気持ちの位置に出たとき
相手が慎重になっている、あるいはまだ言葉にできていない、と読みます。嫌われたという読み方はされません。
相手の内面を細かく特定しようとすると読みが荒れるので、質問の立て方から見直すほうが確実です。
仕事で出たとき
ひとりで抱え込んでいる、情報が共有されていない、という読み取りになります。調べる時間ばかりが増えて着手できていない状態にも当てはまります。
アドバイスの位置と組み合わせると、相談先を決めるという具体策に落とせます。
お金のことで出たとき
確かめないまま進めている、あるいは慎重になりすぎて動けていない、という読み取りです。数字を出して比べる作業が抜けている場面で出やすくなります。
ただし、実際の判断はカードではなく事実と数字で行ってください。
健康のことで出たとき
体調の判断は占いでは行えません。カードは、気になっているのに受診を先延ばしにしている、という状況を映す程度に留めて読んでください。
医療・法律・お金に関わる重大な判断は、占いではなく各分野の専門家にご相談ください。気になる症状があるときは医療機関を受診してください。
イエスかノーかで読むときの隠者の逆位置

二択で答えを出す使い方をする場合もあります。隠者は、イエスにもノーにも寄せにくいカードとして扱われます。
扱い方を3点だけ整理します。
隠者は保留として扱われることが多い
正位置でも逆位置でも、二択の答えとしては保留に置かれることが多いカードです。答えを出すより、時間をかけて確かめる段階だと読まれるためです。
保留が出たときは、条件がまだそろっていないと考えると扱いやすくなります。
二択に向かない問いだったときの見直し方
相手の内面や、期限の決まっていない先のことを二択で聞くと、保留に寄りやすくなります。問いを「いま自分に何ができるか」に置き換えると、答えが具体的になります。
問いの立て方そのものは、引き直しの作法とあわせて確かめておくと安心です。
二択の作法をどこで確かめるか
カードごとのイエス・ノーの対応や、二択で読むときの手順は、当メディアの別の記事で扱っています。ここでは隠者の逆位置に絞って書いています。
解説によって意味が違うのはなぜ?

複数のサイトを見比べると、同じ隠者の逆位置なのに書かれている語がかなり違います。これは、原典の語から各流派が言葉を広げてきた結果です。
成り立ちが分かると、どれを採るかを自分で決められるようになります。
古い解説書に記された逆位置の語
この解説書には、隠者の逆位置の語として、隠すこと・装うこと・打算・恐れ・理由のない用心が挙げられています。ごく短い列挙です。
ここには「引きこもり」も「劣等感」も出てきません。
そこから語が広がっていった流れ
短い列挙を実際の相談に当てはめるうちに、書き手ごとに言い換えが増えていきました。「隠すこと」から秘密や思い出が、「恐れ」から劣等感や現実逃避が派生した形です。
どれも原典から遠いわけではなく、当てはめる場面が違うだけだと考えられます。
自分の引いた文脈に合う語を選ぶという考え方
どれか一つを正解と決める必要はありません。自分が引いた位置と相談内容に照らして、しっくりくる語を選んでください。
複数の解説を見比べたときは、語の違いより、どの軸で読んでいるかに注目すると整理しやすくなります。
同じ隠者の逆位置を引いたのに、開くサイトごとに並ぶ語が違い、どれを自分の状況に当てはめればいいのか決めきれないまま止まってしまうときは、引いた並びと相談したい場面をそのまま伝えて読み解いてもらう方法もあります。
タロットを扱う鑑定士の在籍状況と1分あたりの料金は、各公式サイトに掲載されています。
隠者の逆位置についてよくある質問
※本記事のタロットの解釈は伝統的な解釈・心理的な観点に基づく一般的な傾向であり、科学的に効果や的中を保証するものではありません。参考の一つとしてお読みください。
まとめ|隠者の逆位置は、足りないのか行きすぎているのかを見分けると読みやすくなる
隠者の逆位置は、ひとりで考え込む時間が長くなりすぎている状態として語られます。悪い結果が確定したという読み方はされていません。
読むときは、正位置の慎重さが足りないのか、行きすぎているのか、それとも立ち止まりすぎを解く助言なのか。この3つの軸のどれで読むかを先に決めてください。
そのうえで、引いた位置に当てはめます。最終結果に出た場合も、行き止まりではなく進め方の見直しを促す位置として読むのが一般的です。
解説によって語が違うのは、原典の短い列挙から各流派が言葉を広げてきたためです。自分の引いた文脈に合う語を選べば十分です。