算命学という言葉は聞いたことがあっても、何を見る占いなのかまで説明できる人は多くありません。命式・陰占・陽占・天中殺と、最初に出てくる用語が一気に増えるのも入りにくさの理由です。
この記事では、編集部が算命学の一般的な解説と国立天文台暦計算室などの一次情報を照合しながら、命式の二層構造・十大主星・十二大従星・天中殺という基本の柱を、読む順番に沿って整理しました。


【一言でいうと】算命学とは生年月日の干支から本質と運気の流れを読む東洋占術

算命学は、生年月日を干支(十干と十二支の組み合わせ)に置き換え、そこから本質と運気の流れを読み解く東洋占術です。占うのは的中そのものではなく、持って生まれた性質と時期の傾向とされます。
ルーツは古代中国の陰陽五行思想にあり、日本では戦後に体系がまとめられて広まりました。同じ干支を使う四柱推命とは兄弟のような関係にあたります。
算命学の解釈は流派によって幅があります。本記事は複数の一般的な解説で共通する部分だけを取り上げ、断定を避けて整理しました。
この記事の要点
- 算命学の命式は「陰占(干支の土台)」と「陽占(人体星図)」の二層でできている
- 陽占には十大主星が5か所、十二大従星が3か所の合計8か所に配置される
- 天中殺は十干10と十二支12のずれから生まれる考え方で、6種類に分かれる
- 解釈は流派で異なるため、当たり外れではなく参考の一つとして読むのが前提
算命学が日本で広まった背景
算命学の源流は中国の陰陽五行説と干支暦にあります。日本では昭和期に体系的な解説書が出版され、そこから一般にも名前が知られるようになりました。
現在は書籍や講座、自動計算のサイトなど入口が増えています。その分、同じ生年月日でも解説の言葉づかいが媒体ごとに変わるという状態も生まれました。
算命学の命式は「陰占」と「陽占」の二層でできている

算命学でいう命式とは、生年月日から作る個人のデータシートのことです。これが陰占と陽占の二層に分かれている点が、算命学のいちばんの特徴とされます。
陰占が土台、陽占がそこから導かれる表の顔にあたります。読む順番を間違えると、星の意味だけを拾って全体像を見失いがちです。
陰占とは:生年月日を干支に置き換えた土台
陰占は、生まれた年・月・日をそれぞれ六十干支に置き換えたものです。年柱・月柱・日柱の3本が縦に並び、上段に十干、下段に十二支が入ります。
年柱は家系や初年期、月柱は社会性や中年期、日柱は本人と晩年期にあたると解釈されるのが一般的です。この3本が、生まれ持った気質の素材にあたります。
十二支の内側には「蔵干」と呼ばれる十干が隠れているとされます。この蔵干を取り出す工程が、次の陽占につながります。
陽占(人体星図)とは:表に出る性格を示す星の配置
陽占は、陰占から導いた星を人の体になぞらえた3×3の図に配置したものです。人体星図と呼ばれ、全部で8か所に星が入ります。
中央の胸は本人の核にあたる中心星、頭・両手・腹の4か所は対人関係の出方を示すとされます。残る肩と両足の3か所には、時期ごとの勢いを示す星が入ります。
陰占が素材だとすれば、陽占はその素材が周囲からどう見えるかを表す層です。自己認識と他人からの印象がずれる理由も、この二層で説明されることがあります。
どちらから読むか:順番は陰占が先
算命学では、陰占を確認してから陽占に進むのが基本とされます。土台の性質を知らないまま星の意味だけを読むと、断片的な解釈になりやすいためです。
陰占で干支の組み合わせを見て、陽占で表に出る性格を見て、最後に天中殺で時期の流れを見る。この3段階が、初学者にとって迷いにくい進め方です。
十大主星10種の意味一覧

十大主星は、陽占の5か所に入る星です。人の基本的な行動の癖を5つの本能に分け、それぞれ陽と陰の2つずつ、合計10種類に整理されています。
星は優劣ではなく方向性の違いを表すとされます。強い星・弱い星という序列はないという前提で読むのが、算命学の一般的な考え方です。
| 星名(読み方) | キーワード | 性質の方向 | 力が出やすい場面 |
|---|---|---|---|
| 貫索星(かんさくせい) | 自立・マイペース | 守備本能。自分の意思を守る | 一人で決めて進める場面 |
| 石門星(せきもんせい) | 和・人脈 | 守備本能。人と組んで守る | 集まりをまとめる場面 |
| 鳳閣星(ほうかくせい) | 自然体・表現 | 伝達本能。感じたままを伝える | 楽しみながら発信する場面 |
| 調舒星(ちょうじょせい) | 感性・こだわり | 伝達本能。細部を磨いて伝える | 作品づくりや専門的な表現 |
| 禄存星(ろくぞんせい) | 奉仕・面倒見 | 引力本能。与えて引き寄せる | 人を世話し場を回す場面 |
| 司禄星(しろくせい) | 堅実・蓄積 | 引力本能。こつこつ積む | 日々の積み重ねが効く場面 |
| 車騎星(しゃきせい) | 行動・スピード | 攻撃本能。まっすぐ動く | すぐ動いて片づける場面 |
| 牽牛星(けんぎゅうせい) | 責任・立場 | 攻撃本能。筋を通す | 役割を担って責任を持つ場面 |
| 龍高星(りゅうこうせい) | 探求・変化 | 習得本能。体験から学ぶ | 未知の分野に飛び込む場面 |
| 玉堂星(ぎょくどうせい) | 知性・伝承 | 習得本能。学んで整える | 学び直しや人に教える場面 |
中心星(胸の星)の位置づけ
人体星図の中央にある星は中心星と呼ばれ、本人の核となる性質を示すとされます。検索で「貫索星」「玉堂星」と個別に調べる人の多くは、この中心星を指しています。
ただし中心星だけで人物像が決まるわけではありません。周囲4か所の星との組み合わせで出方が変わると解釈されるため、5つをセットで眺めるのが基本です。
十二大従星12種とエネルギー値の見方

十二大従星は、陽占の肩と両足の3か所に入る星です。人の一生を12の段階になぞらえ、それぞれに1から12までの数値が割り当てられています。
この数値がエネルギー値です。数値の大小は優劣ではなく、その時期の勢いの出方の違いを表すものと解釈されます。
| 星名(読み方) | エネルギー値 | 示すとされる状態 |
|---|---|---|
| 天報星(てんぽうせい) | 3 | 形が定まる前。可能性が広く多才とされる |
| 天印星(てんいんせい) | 6 | 守られて育つ。素直さと愛嬌が出やすい |
| 天貴星(てんきせい) | 9 | まっすぐ伸びる。期待に応えようとする |
| 天恍星(てんこうせい) | 7 | 感受性が動く。憧れや旅立ちに縁があるとされる |
| 天南星(てんなんせい) | 10 | 行動が前に出る。若さと勢いを示す |
| 天禄星(てんろくせい) | 11 | 安定して働く。継続の力が出やすい |
| 天将星(てんしょうせい) | 12 | 最も数値が大きい。責任を担う立場と結びつく |
| 天堂星(てんどうせい) | 8 | 落ち着きが出る。年長者としての役割 |
| 天胡星(てんこせい) | 4 | 内側に向かう。想像力や感性が働く |
| 天極星(てんきょくせい) | 2 | いったん切り替わる。転換のきっかけとされる |
| 天庫星(てんこせい) | 5 | 受け継ぎ収める。家や伝統との縁 |
| 天馬星(てんばせい) | 1 | 動きが軽い。移動や変化と結びつく |
エネルギー値の合計はどう捉えるか
3か所の従星の数値を足した合計は、一般に12〜36の範囲に収まります。合計が大きいほど活動量が大きいと説明されることが多い指標です。
ただし合計が小さいことは劣っている意味ではありません。数値が小さい星は、静かに続ける・内側を深めるといった質を示すと解釈されます。
合計値だけを取り出して比べても、実生活の充実度とは結びつきません。あくまで勢いの出方の傾向として、参考の一つに留めるのが無難です。
天中殺とは?種類と調べ方

天中殺は、算命学のなかでもとくに言葉だけが先に知られている用語です。実際には災いを予告するものではなく、流れが変わりやすい時期とされるという考え方にあたります。
成り立ちは数のずれにあります。十干は10、十二支は12なので、10ずつ組にすると必ず十二支が2つ余るという構造です。
天中殺が生まれる仕組み
甲子から癸酉まで10組を並べると、十二支の戌と亥だけが相手のいない状態で残ります。この余った2支が空亡、算命学でいう天中殺です。
組の始まりがずれれば、余る2支も変わります。そのため天中殺は6通りに分かれ、日柱の干支がどの旬に属するかで決まる仕組みです。
天中殺6種類の分類
天中殺は、余る2支の組み合わせで6種類に分かれます。自分がどれに当たるかは、命式の日柱の干支から判定するのが一般的です。
| 天中殺の名称 | 余る2支 | 該当する旬(日柱の干支) |
|---|---|---|
| 戌亥天中殺 | 戌・亥 | 甲子から癸酉までの10干支 |
| 申酉天中殺 | 申・酉 | 甲戌から癸未までの10干支 |
| 午未天中殺 | 午・未 | 甲申から癸巳までの10干支 |
| 辰巳天中殺 | 辰・巳 | 甲午から癸卯までの10干支 |
| 寅卯天中殺 | 寅・卯 | 甲辰から癸丑までの10干支 |
| 子丑天中殺 | 子・丑 | 甲寅から癸亥までの10干支 |
年・月・日それぞれの天中殺
天中殺は時間の単位ごとに考えられます。12年のうち2年が年天中殺、12か月のうち2か月が月天中殺、12日のうち2日が日天中殺にあたるという整理です。
周期が短いものほど日常的に巡ってきます。日天中殺は6日に一度の頻度で訪れる計算になるため、特別視しすぎない扱いが一般的です。
天中殺の時期の過ごし方の考え方
天中殺の期間は、新しいことを始めるより整える時期と説明されることが多くあります。判断を急がず、いまあるものを見直す期間という捉え方です。
一方で、時期を理由に必要な決断を先送りするのは本末転倒とも言われます。医療・法律・お金に関わる重大な判断は、占いではなく各分野の専門家にご相談ください。
お祓いや開運グッズで回避する、といった発想も算命学の本来の考え方には含まれません。不安を煽る説明に出会ったときは、いったん距離を取るのが安全です。
算命学と四柱推命の違い

算命学と四柱推命は、どちらも干支をもとにする東洋占術です。同じ生年月日から始まるため混同されやすいものの、使う星の体系が異なります。
優劣ではなく、見たいものの違いで選ばれるのが一般的です。次の表は、両者の位置づけを観点ごとに並べたものです。
| 占術 | 見るもの | 使う星 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 算命学 | 本質と人間関係の位置取り、時期の流れ | 十大主星10種・十二大従星12種 | 人体星図で配置を視覚的に読む | 性格の出方や役割を整理したい人 |
| 四柱推命 | 命式の五行バランスと運の巡り | 通変星10種・十二運12種 | 年柱から時柱まで4本の柱で見る | 時期の巡りを細かく追いたい人 |
出生時間を使うかどうかという差
四柱推命は年・月・日に加えて時柱を立てるため、出生時間が分かるとより細かく読めます。算命学は年・月・日の3本を基本とする流派が多く、時間が不明でも組める点が違いです。
どちらも干支暦を使う以上、土台の情報は共通しています。両方を見比べて、自分に納得のいく言葉づかいの体系を選ぶ人も少なくありません。
四柱推命の命式を実際に作ってみたい方は、相性占いは当たる?名前・誕生日・星座など占術別の相性の見方と選び方で占術ごとの得意分野も確認してみてください。
算命学の相性の見方

算命学の相性は、片方を合格・不合格に分ける判定ではありません。価値観の出方の差を見て、距離の取り方を考えるための材料とされます。
見方は大きく2通りです。陰占の干支同士の関係を見る方法と、陽占の星の組み合わせを見る方法があります。
干支の関係で見る
陰占では、十二支同士の伝統的な関係を手がかりにします。相性が良いとされる組み合わせは、テンポや価値観がそろいやすいと解釈されるものです。
逆に、ぶつかりやすいとされる組み合わせもあります。これは仲が悪いという意味ではなく、同じ話題でも力点がずれやすい傾向として読むのが一般的です。
星の組み合わせで見る
陽占では、お互いの中心星や周囲の星の性質を見比べます。たとえば行動が早い星と、じっくり積む星では、同じ目標でも進め方が変わりやすくなります。
違いが大きいほど衝突しやすい一方、補い合える関係にもなり得るとされます。相性の結果を関係の否定に使わず、伝え方を調整する手がかりとして使う姿勢が大切です。
算命学を無料で調べる方法と、鑑定士に見てもらう場合

算命学の命式は、生年月日を入力すれば自動で作成できるサイトがいくつも公開されています。編集部が公開情報を調査したところ、無料の範囲でも陰占と陽占の作図まではおおむね対応していました。
ただし、出てきた図をどう読むかは別の作業です。無料でできる範囲と、人に聞いたほうが早い範囲を先に整理しておくと迷いません。
無料の自動計算で分かる範囲
自動計算で得られるのは、陰占の干支・陽占の人体星図・十二大従星のエネルギー値・天中殺の種類といった客観的なデータです。ここまでは計算で決まるため、どのサイトでも同じ結果になります。
一方、星の組み合わせをどう解釈するか、いまの状況にどう当てはめるかは自動化しにくい部分です。同じ命式でも解説の言葉が媒体ごとに違うのは、この解釈の幅によります。
鑑定士に相談する場合の目安
個別の事情まで踏み込んで聞きたい場合は、算命学を扱う鑑定士に相談する方法があります。相談手段ごとの費用感は、次のとおりです。
| 相談方法 | 料金の目安(執筆時点) | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 電話占い | 1分200〜400円前後(税込・執筆時点) | 出した命式をその場で聞きたい |
| 対面鑑定(占い館) | 20分2,000〜3,000円前後(税込・執筆時点) | 命式を見ながらじっくり相談したい |
※料金は2026年7月時点で各社公式サイトに掲載されている一般的な水準です。実際の単価や初回特典の条件は、各公式サイトでご確認ください。
特定の無料ツールを推奨する立場は取りません。運営者情報が明記されているか、入力した生年月日の扱いが書かれているかを確認したうえで使うと安心です。
算命学のよくある質問
※本記事の算命学の解釈は伝統的な解釈・心理的な観点に基づく一般的な傾向であり、科学的に効果や的中を保証するものではありません。参考の一つとしてお読みください。料金等は執筆時点(2026年7月)の各公式サイト情報です。医療・法律・お金に関わる重大な判断は、占いではなく各分野の専門家にご相談ください。
まとめ:算命学は陰占→陽占→天中殺の順に読むと迷わない
算命学の命式は、干支で作る陰占という土台と、星を配置する陽占という表の層でできています。まずこの二層構造を押さえることが、用語の海で迷わないための近道です。
陽占には十大主星が5か所、十二大従星が3か所に入ります。星は優劣ではなく方向性の違いを示すもの、という前提で眺めてみてください。
天中殺は数のずれから生まれる仕組みで、流れが変わりやすい時期とされる考え方です。不安を煽る説明に流されず、参考の一つとして受け取るのがおすすめです。