台湾旅行の予定が決まると、現地で占いを体験してみたいと思う方は少なくありません。ところが調べ始めると、どこに行けばいいのか、いくら払うのか、言葉は通じるのかが、記事によって書いてあることが違います。
この記事では、編集部が台北市の公的な市集情報、寺廟の公式サイト、店舗の公式ページの記載を確認したうえで、台湾の占いがどこに集まっているのかと、廟で無料でできることと有料の占いの違いを整理しました。確認できなかったことは、確認できなかったと書きます。


台湾の占いは、廟のまわりの地下街に集まっている

台北で占いのお店が集まっているのは、有名な廟のすぐそばにある地下街です。廟の中ではなく、廟の外側に商業の占いが並んでいる、という位置関係になります。
この二層構造を知らないまま行くと、廟の敷地内で有料の鑑定を探してしまうことになります。廟の中でできることと、地下街でできることは別物です。
廟の中でできることと、地下街の占いは別のもの
廟が案内しているのは、擲筊(筊杯)や求籤といった宗教のサービスです。行天宮の場合、公式サイトに擲筊・求籤・收驚・祭解・平安袋などが濟世服務として掲載されています。
一方、地下街に並んでいるのは、料金を払って受ける商業の鑑定です。運営する主体も、場所の性格も違います。
公的な記録で「算命街」と明記されているのは行天宮のそばの地下街
台北市の市集情報には、行天宮のそばの地下歩道にある一角が「台北松江路命理街(行天宮旁地下街)」として登録されています。営業内容は命理諮詢服務と記載され、説明文にも著名な算命街であることが書かれています。
龍山寺の地下街も台北市市場處の公式ページに掲載されていますが、そちらの業種説明に命理という記述は本記事では確認できませんでした。占いの集積として公的に確認できるのは、行天宮のそばの一か所です。
台湾でよく見かける占いの種類

台湾の占い街に並ぶ看板には、日本ではあまり見かけない占術の名前が出てきます。ここでは代表的なものを、何を見る占いとされているかを添えて紹介します。いずれも伝統的にそう説明されるもので、効果を保証するものではありません。
紫微斗数(しびとすう)
生年月日と生まれた時間から命盤と呼ばれる図を作り、そこに配置される星から人生の傾向を読むとされる占術です。台湾では広く用いられており、看板にも頻繁に出てきます。
命盤の読み方そのものは体系が大きいため、本記事では名前と何を見る占いかまでにとどめます。
八字(生年月日時から見る占い)
生まれた年・月・日・時間を干支に置き換えて読む占術で、日本では四柱推命と呼ばれる体系にあたります。台湾では八字という呼び方が一般的です。
入力するものは日本の四柱推命と同じで、生まれた時間が分かるかどうかで見られる範囲が変わるとされます。
面相・手相
顔立ちや手のひらの線から傾向を読む占術です。生年月日を伝えなくても受けられるため、旅行者でも受けやすい種類にあたります。
米卦(べいか)
米粒を使う占いで、盤に置いた米の分布の状態から読むとされます。台湾の文化資料には、もともとは病気の原因を分析し、医療や投薬の対策を探るために用いられたと説明されています。清代の記録にも「病來煩米卦」という記述が残っており、施術者は僧でも道士でもない「客子師」と呼ばれる人々だったとされます。
この由来からも分かるとおり、体調に関わる話が出てくる可能性があります。占いの結果で受診や治療の判断を置き換えないでください。
鳥を使う占い(文鳥占い)
小鳥が籤を引く形の占いで、台北の占い街で見かけることがあります。旅行の記事では名物として紹介されることが多い占いです。
一方で、鳥の扱いをめぐって現地でも議論があります。体験として無条件におすすめはしません。受けるかどうかは、その場の様子を見て判断してください。
廟でできる擲筊(筊杯)と籤詩の作法

ここからは、廟で料金なしで受けられる宗教のサービスについてです。行天宮が公式に案内している手順に沿って説明します。ネット上には別の説明も出回っていますが、ここでは廟の公式の定義を採ります。
擲筊の投げ方と3つの結果
筊杯は三日月のような形をした2枚1組の道具です。行天宮の公式サイトでは、凸型の面を「陰(俯)」、平らな面を「陽(仰)」と定義しています。
投げた結果は3通りです。一凸一平が聖筊で「対・好・可以」、凸と凸が陰筊で「不対・不好・不可以」、平と平が笑筊で、述べたことが明確でないため裁示できない、という意味になります。
投げる前に、自分の姓名・年齢・住所と、うかがいたい事由を告げます。一度に一件が原則です。
そして行天宮では、聖筊が出るまで何度も投げ直すことを公式に戒めています。一回で確定させる、という考え方です。
籤詩を引く手順
求籤も、まず姓名・年齢・住所と事由を告げるところから始まります。一事求一籤が原則で、聖筊を得てから籤を引き始めます。
籤筒から籤支を引いたら、第何首かを確認して覚え、ほかの人が使えるように籤支は籤筒へ戻します。そのうえで、その番号で合っているかを擲筊で確認します。聖允が得られなければ、別の籤を引き直します。
番号が確定したら、事務所の發籤詩處で籤詩を受け取ります。行天宮では、係員に籤の意味を説明してもらえることまで公式に案内されています。
日本のおみくじとの違い
日本のおみくじは、引いた紙に書かれた吉凶をその場で読む形が一般的です。台湾の籤詩は、番号を確認して擲筊で裁示を得てから受け取り、さらに解釈を聞くという手順を踏みます。
手順の数が違うぶん、時間もかかります。受付の時間も参拝の時間より短く設定されていることがあるので、先に確認しておいてください。
台北で占いが集まっている場所

ここでは、公的な情報で場所を確認できた2か所を扱います。番地や営業時間は執筆時点の記載です。
行天宮のそばの地下街(松江路命理街)
台北市の市集情報に「台北松江路命理街(行天宮旁地下街)」として登録されている一角です。所在は臺北市中山區民權東路二段の地下歩道で、番地は付いていません。
民国73年(1984年)に竣工し、翌74年(1985年)6月に開業したこと、面積が88平方メートルであること、営業内容が命理諮詢服務であることが公的な記録に残っています。休市日は月曜です。
営業時間については、台北市の2つの公的ページで記載が食い違っています。2018年更新のページは8時から21時、2024年更新のページは7時から23時です。本記事では新しいほうを目安として示しますが、実際の各ブースの営業はこれとは別に決まると考えてください。
最寄りは行天宮で、廟の住所は台北市中山区民権東路二段109号です。廟の開放時間は4時から21時です。
龍山寺の地下街
臺北市萬華區西園路一段145號にある地下街で、2005年から営業しています。営業時間は日曜から木曜が11時から21時、金曜と土曜が11時から22時で、定休日はありません。地上の公園に7か所の出入口があり、地下鉄の駅とも直接つながっています。
ただし、市場處の公式説明に占いに関する記述は本記事では確認できませんでした。龍山寺そのものの住所は臺北市萬華區廣州街211號で、地下街の住所とは別です。取り違えないよう注意してください。
台北駅や中山の地下街には公的な占いの記載がない
台北地下街について、台北市市場處の公式ページには業種が軽食・電子・百貨・服飾の4種と記載されており、命理についての記述は本記事では確認できませんでした。中山の地下街は、そもそも市場處の地下街一覧に含まれていません。
「台北駅の地下に占い街がある」という記述をたまに見かけますが、公的な業種構成からは確認できませんでした。出口番号や店舗数も公的な記載がないため、本記事では書いていません。
日本語は通じる?料金は?公式で確認できること・できないこと

旅行者にとって最大の不安がここです。公式で確認できたことと、できなかったことを分けて示します。
| 項目 | 公的機関・公式ページで確認できたこと | 確認できなかったこと |
|---|---|---|
| 場所 | 行天宮そばの地下街の登録名・所在・開業年・面積・営業内容 | 店舗数・出口番号 |
| 営業時間 | 地下街全体の時間(公的ページ間で記載に差あり) | 個別ブースの営業時間 |
| 日本語 | 観光の公式案内に「日本語OKのブースが多い」との記載 | どのブースが対応するかの一覧 |
| 料金 | 料金表を公開している店の例(時間制・通訳の有無で区分) | 地下街全体の料金の目安 |
| 支払い方法 | 料金を公開している店は当日店頭で現金と記載 | 地下街の各ブースの支払い手段 |
日本語対応について公式に書かれていること
台湾の観光の日本語公式サイトには、行天宮の地下道について「訪れる人のほとんどが日本人観光客なので、日本語OKのブースが多いです」という案内があります。あわせて「ブースによって占いの種類や料金が違うので直接尋ねるとよいでしょう」とも書かれています。
つまり、日本語が通じるブースはあるが、どのブースかは行ってから確かめる形だということです。ブースごとの一覧は公的にも公開されていません。
料金を公式に掲示している例
地下街のブースは料金を公式サイトで掲示していないのが通常です。料金表を公開している例として編集部が確認できたのは、日本語対応をうたう「龍の羽」の料金ページです。
通訳なしが20分1,000元、追加は10分ごとに500元、通訳ありが30分1,300元、追加は15分ごとに650元と区分されています(執筆時点)。占術の種類によらず時間制で、支払いは当日店頭で現金、予約金は不要です。
ただしこの店でも、特定の占い師は料金体系が異なると注記されています。他のメディアが書いている「台湾の占いの目安」は出どころを確認できなかったため、本記事では相場を示しません。
現地で先に確認する4項目
- 対応言語:日本語か中国語か、通訳が付くのか
- 所要時間:1回あたり何分か、延長はどう数えるか
- 料金:その時間でいくらか、延長したときいくら足されるか
- 支払い方法:現金のみか、カードや電子決済が使えるか
この4つを座る前に聞いておけば、終わってから金額でもめることはほぼなくなります。日本語が通じないブースでも、紙に書いて示せば伝わります。
台湾で占ってもらうときに気をつけたいこと

最後に、受ける前に決めておきたい姿勢と、廟でのふるまいについてまとめます。
結果を断定として受け取らない
台湾の占いは歴史が長く、街に根づいています。ただしそれは、結果が当たることを保証するものではありません。読み方の体系が受け継がれてきた、ということです。
旅先で聞いた話が強く残ってしまうこともあります。参考の一つとして持ち帰るくらいの距離を、先に決めておいてください。
医療・法律・お金に関わる判断は占いで決めない
米卦のように、もともと病の原因を見るために使われてきたとされる占術もあります。だからこそ線引きが要ります。医療・法律・お金に関わる重大な判断は、占いではなく各分野の専門家にご相談ください。
廟での参拝のマナー
供え物や線香の扱いは、廟によって案内が違います。行天宮は正しい信仰の理念として、金紙を焼かない、いけにえを供えない、功徳箱を設けないことを掲げており、2014年8月には大香炉と供物卓も撤去しています。お堂の前に賽銭箱はなく、香油代も不要です。
行く先の廟の公式の案内に従うのがいちばん確実です。他の廟の作法をそのまま持ち込まないでください。
料金の合意は座る前に取る
地下街のブースには公式の料金表がないことが多いため、始めてから金額を聞くのは避けたいところです。対応言語・所要時間・料金・支払い方法の4項目は、必ず座る前に確認してください。
万が一トラブルになった場合は、外務省の海外安全ホームページに台湾の緊急連絡先がまとめられています。警察110番、消防・救急119番のほか、内政部移民署の外国人向け生活相談ホットライン1990番が24時間・日本語対応です(執筆時点)。
台湾に行く予定が立たないまま、気持ちだけ先に急いでいるときは

台湾の占いを調べているうちに、旅行の日程より先に「早く誰かに見てもらいたい」という気持ちのほうが大きくなっていることがあります。行けるのが半年先だと、その間ずっと抱えたままになります。
そういうときは、日本語で今すぐ話せる相談先を先に使ってしまうのも一つの方法です。電話占いなら、旅行の予定に関係なく自宅から相談できます。
電話占いヴェルニの場合、鑑定料は1分180円〜600円(税込)で占い師ごとに異なります(執筆時点)。新規登録の特典も用意されています(条件あり・執筆時点)。
台湾の占いについてよくある質問
※本記事の占いの解釈は伝統的な解釈・心理的な観点に基づく一般的な傾向であり、科学的に効果や的中を保証するものではありません。所在地・営業時間・料金は執筆時点(2026年8月)の公的機関および各公式ページの記載です。参考の一つとしてお読みください。
まとめ|場所と料金の確認を先に済ませれば、台湾の占いは体験しやすい
台湾の占いは、廟の中の宗教サービスと、廟のそばの地下街にある商業の鑑定という二層に分かれています。公的な記録で算命街と明記されているのは、行天宮のそばの地下街です。
廟で受けられる擲筊と求籤には、公式に定められた手順があります。凸が陰、平が陽で、一凸一平が聖筊です。
一度に一件で、聖筊が出るまで投げ直さない。この2点も覚えておけば、作法で困ることはありません。
料金は地下街に公式の掲示がないのが通常です。対応言語・所要時間・料金・支払い方法の4つを座る前に確認する。それだけで、台湾の占いはぐっと受けやすくなります。