無料の命式作成ツールで自分の命式を出したら、そこに「甲寅」という文字が並んでいた。読み方も分からないまま検索して、性格の話ばかり出てきて戸惑っている——そんな方に向けた記事です。
この記事では、甲寅がいつを指す組み合わせなのかを、年・月・日それぞれの数え方から確かめられるようにまとめました。性格の記述は最後のほうで、伝えられている範囲にとどめて扱います。


甲寅は六十干支の51番目、甲も寅も陽の木で重なる組み合わせ

甲寅(きのえとら)は、十干と十二支を組み合わせた六十干支の51番目にあたります。前は癸丑、次は乙卯です。
十干の甲は陽の木、十二支の寅も陽の木で、同じ五行が同じ陰陽で重なっている組み合わせとされます。陰陽五行では、同じ気が重なる関係を比和と呼びます。
なお甲寅という語は、同窓会の名称や書名にも使われています。本記事が扱うのは、四柱推命や算命学などで使われる干支としての甲寅です。
甲寅の読み方と成り立ち|甲と寅が重なるということ
読み方と、なぜ「重なり」という言い方をするのかを先に押さえておきます。この重なりが、あとに出てくる建禄や八専といった別々の用語につながっています。

読み方はきのえとら・こういん
訓読みでは「きのえとら」、音読みでは「こういん」と読みます。命式の表記や解説書では、どちらの読みも使われます。
甲は十干の1番目、寅は十二支の3番目です。この2つが組み合わさるのが六十干支の51番目という位置になります。
甲は陽の木
十干の甲は五行では木、陰陽では陽にあたるとされます。木の中でも、まっすぐ伸びる大きな樹木にたとえられることが多い十干です。
ただしこのたとえは説明のための比喩で、性格を決めるものではありません。分類として押さえておけば十分です。
寅も陽の木
十二支の寅も、五行では木、陰陽では陽にあたるとされます。季節では春の始まり、方位では東北東に配当されるとする解説が一般的です。
つまり甲寅は、十干と十二支のどちらを見ても陽の木ということになります。
同じ五行が重なる関係は比和と呼ばれる
陰陽五行では、同じ五行どうしの関係を比和と呼びます。相生や相剋のように「生む・抑える」という向きがなく、同じ気が強め合う関係とされます。
この比和が、甲寅を語るときの土台になります。用語がばらばらに見えても、根はこの重なり一つです。
寅の蔵干は本気が甲
十二支には、その中に含まれる十干(蔵干)があるとされます。寅の蔵干は本気が甲とされ、ここでも甲が重なります。
蔵干にどこまで含めるかは解説によって異なります。本記事では、複数の資料で一致していた本気の甲だけを挙げるにとどめます。
甲寅の年・月・日はいつか|60年周期と節入りの数え方
命式の甲寅が年柱・月柱・日柱のどれにあるかで、指している時期が変わります。それぞれ数え方が違うので、別々に確かめる必要があります。

直近の甲寅の年と次の甲寅の年
甲寅の年は60年ごとに巡ります。直近は1914年と1974年で、次は2034年です。
年柱は元日ではなく立春で切り替わるとされるため、1974年の1月生まれは前年の癸丑として扱われます。生まれ年だけを見て判断しないでください。
西暦を60で割った余りで確かめる
西暦年を60で割って54が余る年が甲寅の年です。1974を60で割ると32余り54になり、条件に合います。
2034年も同じく余りが54になります。手元の年が甲寅かどうかは、この計算で確かめられます。
甲寅の月は下1桁が3・8の年にあたる
月の干支は、年の十干によって決まります。甲寅の月にあたるのは、西暦年の下1桁が3または8の年(十干でいう癸の年と戊の年)です。
寅の月は、旧暦では1月(正月)にあたります。一方、四柱推命で使う節月では立春から啓蟄の前日まで、新暦でいえばおよそ2月上旬から3月上旬になります。
甲寅の日は60日ごとに巡る
日の干支は60日ごとに一巡します。年や月のように計算式で覚えられる形ではないため、万年暦や命式作成ツールで調べるのが確実です。
日柱は生まれた日の干支なので、命式を出せばそのまま表示されます。自分で数える必要はありません。
「旧暦の2月」と書かれた解説を読むときの注意
寅の月について「2月」とだけ書かれた解説を見かけますが、これは新暦の2月とほぼ重なる節月の話を指していることが多い書き方です。旧暦でいえば寅の月は1月にあたります。
旧暦・節月・新暦は基準が違うので、どれの話をしているかを確かめてから読んでください。ずれたまま覚えると、あとで別の解説と食い違います。
甲寅は建禄と八専でどう説明されるか

甲寅を調べると、建禄(けんろく)や八専(はっせん)といった言葉が出てきます。体系の違う用語ですが、どれも「甲と寅が重なっている」という同じ事実を別の角度から言い直したものです。
| 呼び名 | どの体系の言葉か | 甲寅での位置づけ |
|---|---|---|
| 比和 | 陰陽五行 | 甲も寅も陽の木で、同じ気が重なる関係にあたる |
| 建禄 | 四柱推命の十二運 | 十干の甲から見て寅は建禄にあたる(「健禄」と表記されることもある) |
| 八専 | 暦注(選日) | 壬子から癸亥までの12日間のうち、五行が重なる8日の2日目にあたる |
| 納音 | 六十干支を2つずつ組にする枠組み | 甲寅と乙卯の組で「大溪水」にあたる |
八専の12日間には、五行が重ならない日が4日あり、間日(まび)と呼ばれます。甲寅は間日ではなく、重なる8日のほうに入ります。
どの言葉も良い悪いの評価ではありません。暦注の八専には慎むべき日という説明が付くことがありますが、それは日を選ぶ習慣の話で、その日に生まれた人の評価ではありません。
甲寅は異常干支に入るのか|挙げる説と挙げない説

甲寅を調べると「異常干支」という言葉が出てくることがあります。ここは説が分かれる部分なので、そのまま示します。
異常干支は算命学で使われる言葉
異常干支は算命学で使われる用語で、六十干支のうち特定のものを指すとされます。四柱推命の一般的な解説には出てこない言葉です。
どの干支を挙げるかは流派によって異なり、共通の一覧があるわけではありません。
甲寅を挙げる説がある
異常干支の一覧に甲寅を含めている解説があります。含める理由の説明も、解説によって書き方が異なります。
本記事では、どの解説がどの根拠に基づくかまでは確認できませんでした。
挙げない説もある
一方、甲寅を挙げていない解説もあります。異常干支という枠組み自体を扱わない解説も少なくありません。
つまり「甲寅は異常干支である」とも「ではない」とも、一律には言えない状態です。
自分が読んでいる解説がどちらの説かを先に確かめる
調べるときは、読んでいるページがどちらの立場かを先に確かめてください。立場の違うページを混ぜて読むと、矛盾しているように見えるだけです。
良い悪いの評価として読まない
「異常」という語感から不安になる方がいますが、これは分類の名前であって、良し悪しの判定ではありません。何かが起きる予告でもありません。
医療・法律・お金に関わる重大な判断は、占いではなく各分野の専門家にご相談ください。
甲寅に語られる性格の傾向

ここから性格の話に入りますが、性格に関する記述はどれも一次情報ではありません。複数の解説に共通している部分だけを、伝えられている範囲として書きます。
複数の解説に共通して挙がるもの
多くの解説に共通して出てくるのは、まっすぐさ、決めたら動くこと、影響を受けにくいことです。甲の木のたとえと、寅の勢いを重ねた説明になっています。
比和で気が強め合うとされることから、良くも悪くも中間が少ないという書かれ方をすることもあります。
男女で書き分けている解説はあるが内容は一致していない
女性の特徴・男性の特徴と項目を分けている解説もありますが、書かれている内容は解説どうしで一致していませんでした。
一致していない記述を紹介すると、読む人によって印象が変わってしまいます。本記事では男女で分けずに扱います。
「一途」と語られる背景
甲寅について「一途」という語が使われることがあります。これは方向を変えにくいという説明を、恋愛の文脈に置き換えたものと読めます。
一途であることが良い結果につながるとは限りません。人物評ではなく、動き方の癖として受け取ってください。
傾向として読み、決めつけに使わない
命式に甲寅があることは、その人の一部を説明する材料にすぎません。四柱推命は複数の柱を合わせて読む体系で、1つの干支だけで人物像が決まる作りにはなっていません。
自分に当てはまらない記述があっても、それは矛盾ではありません。
甲寅の相性は関係の形から読む

相性についても、良し悪しの一覧を作ると流派差に巻き込まれます。ここでは甲寅に関わる関係の「形」だけを挙げます。
干合とされる甲と己
十干どうしの特別な結びつきを干合といい、甲は己と干合するとされます。性質の違う組み合わせが結びつく関係として説明されます。
干合があるから相性が良い、という単純な読み方はされません。
支合とされる寅と亥
十二支どうしの結びつきのうち、寅は亥と支合するとされます。二支が組んで働く関係として説明されます。
これも良し悪しの評価ではなく、組み合わせの形の名前です。
三合とされる寅・午・戌
3つの十二支が組んで一つの五行の働きをまとめる関係を三合といい、寅は午・戌と三合の関係にあるとされます。
命式の中にこの3つがそろっているかどうかで読み方が変わる、という扱いをする解説もあります。
冲とされる寅と申
向かい合う十二支どうしの関係を冲といい、寅は申と冲になるとされます。ぶつかる関係と説明されることが多い形です。
冲があるから合わない、と決めつける読み方はしません。関係の形として押さえておく程度で十分です。
個別の組み合わせの良し悪しは解説によって割れる
六十干支どうしの相性を一覧にしている解説もありますが、内容は一致していません。一覧を鵜呑みにせず、関係の形から自分で読むほうが混乱しません。
十二支どうしの相性そのものは、別の記事で扱っています。
自分の甲寅が年柱か日柱かを確かめる

ここまでの内容は、甲寅がどの柱にあるかで意味の置きどころが変わります。最後に確かめ方を整理します。
年柱は元日ではなく立春で切り替わる
年柱の干支は、暦の上では立春で切り替わるとされます。1月から立春の前日までに生まれた人は、前の年の干支になります。
生まれ年だけを見た一覧表がずれるのは、この切り替わりを反映していないためです。
年柱・月柱・日柱・時柱で意味の置きどころが変わる
四柱推命では、年柱・月柱・日柱・時柱にそれぞれ役割があるとされます。同じ甲寅でも、どの柱にあるかで読み方が変わります。
解説を読むときは、その説明がどの柱の話なのかを先に確かめてください。
命式を出してから読む順番
先に命式を出し、甲寅がどこにあるかを確かめてから解説を読む。この順番にすると、当てはまらない記述に振り回されずに済みます。
命式の出し方そのものは、別の記事で手順を追って説明しています。
生まれ年だけの一覧がずれる理由
公表されている生年月日だけでは、日柱は特定できても時柱までは決まりません。生誕時刻が分からない場合があるためです。
本記事で実在の人物を挙げていないのは、この理由によります。
命式に並んだ文字を一つずつ調べていくうちに、結局それが自分の何を指しているのか分からなくなることがあります。用語の意味は調べられても、自分の状況と結び直すところで止まってしまうためです。
電話占いヴェルニには、四柱推命や算命学を扱う鑑定士も在籍しています。用語のままではなく、いま困っていることとして話せるのが対話の利点です。
料金は1分180〜600円(税込)で20円刻みの22段階と公式に案内されており、通話料は会社負担で無料です。新規登録の特典もありますが、内容と条件は公式サイトでご確認ください(執筆時点)。
甲寅についてよくある質問
※本記事の干支の解釈は伝統的な解釈・心理的な観点に基づく一般的な傾向であり、科学的に効果や的中を保証するものではありません。参考の一つとしてお読みください。
まとめ|甲寅は「どの柱の甲寅か」を確かめてから読む
甲寅は六十干支の51番目で、甲も寅も陽の木という重なりの組み合わせです。比和・建禄・八専・納音といった用語は、どれもこの重なりを別の体系から言い直したものになります。
年は西暦を60で割って54が余る年(1914年・1974年・2034年)、月は下1桁が3・8の年の寅月、日は60日ごとです。寅の月は旧暦では1月、節月では立春から啓蟄の前日までを指します。
異常干支に含めるかどうかは説が分かれます。どちらかを正解にせず、読んでいる解説がどちらの立場かを先に確かめてください。性格の記述も、どの柱の甲寅かを確かめてから読むほうが噛み合います。