生年月日を入れる無料の適職診断を、いくつか試してみたことはないでしょうか。1つ目では企画職、2つ目では接客業、3つ目では研究職——並べてみると、どれを受け取ればいいのか分からなくなります。
結果が割れるのには理由があります。この記事では、出てきた職業名をそのまま受け取るのではなく、働き方の条件に置き換えて使う手順を整理します。求人票の言葉と突き合わせられるところまで持っていくのが目的です。


【一言でいうと】適職占いが出しているのは求人ではなく、性質を職業名に言い換えた例

適職占いの結果に並ぶ職業名は、求人の情報ではありません。診断が出した性質の説明を、分かりやすく伝えるために職業名で言い換えた例だと考えると扱いやすくなります。
そのため、合っている・合っていないを決める道具としては使えません。職業名が一致したかどうかで判定すると、書き手が選んだ例の当たり外れを見ているだけになります。
使いどころは、その職業名がどんな働き方を指しているのかを取り出すところにあります。取り出した条件なら、実際の募集内容と比べられます。
もう一つ知っておきたいのは、職業名の並びが時代によって変わることです。同じ性質の説明でも、書かれた時期が違えば例に挙がる職業が入れ替わります。
生年月日を入れると職業名が出てくるまでに何が起きているか

入力欄に生年月日を入れてから結果が表示されるまでには、いくつかの段階があります。段階を知っておくと、結果のどこまでが自分に固有の情報なのかが見えます。
生年月日を分類に変える段階
最初に行われるのは、入力された生年月日を決められた分類のどれかに割り当てる処理です。何通りに分けるかは診断によって異なります。
この段階で残るのは、自分がどの分類に入ったかという情報だけです。生年月日そのものが結果文に反映されるわけではありません。
枠の数は、9通りのものから数百通りのものまで幅があります。どの枠に入ったかは結果画面に表示されることもあれば、表示されないこともあります。
分類ごとに用意された説明文を当てる段階
次に、その分類に対してあらかじめ書かれている説明文が呼び出されます。同じ分類に入った人には、同じ説明文が表示されます。
説明文は多くの人が読むことを前提に書かれているため、幅のある言い方になりやすくなります。読んで「当たっている」と感じやすいのはこのためです。
読んで当てはまると感じた部分があれば、それは覚えておいて構いません。あとで場面を思い出すときの手がかりになります。
職業名は例として添えられている段階
最後に、説明文の内容に合う職業名が例として並びます。例に何を選ぶかは書き手の判断で、募集の多さや今の求人事情が反映されているとは限りません。
古い職種名や、今は募集が限られる職種が混じることがあるのはこのためです。職業名は結論ではなく、説明文を具体化するための飾りだと考えてください。
ここまでを踏まえると、結果を「当たり・外れ」で見る必要がないことが分かります。読むべきなのは職業名ではなく、その職業名が指している働き方のほうです。
同じ人でも結果が割れる理由

いくつも試すと結果が食い違うのは、診断ごとに人を何通りに分けているかが違うからです。分け方の細かさが違えば、同じ人が別の枠に入るのは当然といえます。
どれが正しいかを決めようとすると、比べる基準がないまま比べ続けることになります。割れる理由のほうを押さえておきましょう。
分類の数が違う
9通りに分ける診断、12通りに分ける診断、60通りに分ける診断、さらに細かく分かれる診断があります。枠の数が違えば、同じ人でも入る枠は変わります。
枠が少ないほど1つの説明が広くなり、枠が多いほど説明は細かくなります。細かいほうが当たっているとは限らず、読み手が判断できる範囲を超えることもあります。
同じ分類でも書き手が違えば例が違う
同じ枠に入っても、説明文と職業名の例を書いた人が違えば、並ぶ職業は変わります。書き手がどんな仕事を知っているかによって、例に挙がる職種が偏るためです。
つまり、結果の食い違いには診断の差だけでなく、書き手の差も混ざっています。
同じ枠に入った人が全員同じ仕事に向いているわけでもありません。枠は説明を届けるための入れ物であって、人を仕分けるためのものではないからです。
入力できる情報の量が違う
生年月日だけを聞く診断と、生まれた時間まで聞く診断では、扱える材料の量が違います。材料が増えれば分類は細かくなりますが、細かくなることと当たることは別の話です。
生まれた時間が分からない場合に精度が落ちるのかを気にする方もいますが、そもそも精度を測る基準が用意されていません。
割れた結果を並べたままにしておくと、どれを信じるかという問いに戻ってしまいます。次の章から、割れた結果をまとめて使う方法に進みます。
働き方の条件に置き換える手順

ここからが実際の作業です。出てきた職業名を、人と接する量・裁量の大きさ・変化の速さ・評価のされ方という4つの条件に翻訳します。手順は3つだけです。
試した診断が1つだけなら、その結果から3つ選べば十分です。複数の診断を試したなら、別々の診断から1つずつ選ぶと条件の幅が見えます。
1.出た職業名を3つ書き出す
試した診断の結果から、職業名を3つだけ選んで書き出します。多く並べるほど条件が散らばるため、印象に残ったものから3つで十分です。
ここでは職業名の良し悪しを考えません。書き出すだけの作業として進めてください。
思い出せない職業が混じっていても構いません。名前を知っている範囲で書ければ、次の段階には進めます。
2.4つの条件で言い換える
書き出した職業について、人と接する量は多いか少ないか、自分で決められる範囲は広いか狭いか、仕事の内容が変わる速さはどうか、何をもって評価されるのかを一言ずつ書きます。
3つの職業を並べると、条件のどこかが共通していることがよくあります。共通している条件こそが、その診断が伝えようとしていた性質です。
書き方に迷ったら、「多い・少ない」「広い・狭い」「速い・遅い」といった程度の言葉で十分です。細かく書くほど比べにくくなります。
3.条件の言葉で求人票を読む
最後に、書き出した条件を持って募集要項を読みます。職種名で探すのではなく、仕事内容の欄に条件が書かれているかどうかで読むのがこつです。
条件で読むと、職業名が違っても近い働き方の募集が見つかります。逆に、同じ職業名でも条件がまったく違う募集があることも分かります。
ここまで来ると、診断の結果は求人を読むための道具に変わります。合っている職業を探すのではなく、合っている条件を探すという順番です。
条件で読むと、応募先を広げるか絞るかの判断もしやすくなります。合う条件が多い募集から順に見ていけば、迷う時間が減ります。
条件から実在の職種に橋を架ける

4つの条件を、実際に確かめられる情報とつなげます。診断の結果ではなく、公開されている一次情報のほうを見にいくのがこの表の狙いです。
| 4つの条件 | その条件が強い働き方の例 | 確認できる一次情報の見方 |
|---|---|---|
| 人と接する量 | 窓口・販売・営業のように、1日の多くを人との会話に使う働き方 | 募集要項の仕事内容に、対応件数や訪問件数が書かれているかを見る |
| 裁量の大きさ | 手順が決まっている働き方と、進め方を自分で組み立てる働き方 | 募集要項の「1日の流れ」や配属先の説明で、決まっている範囲を読む |
| 変化の速さ | 扱う内容が毎日変わる働き方と、同じ作業を精度高く続ける働き方 | 企業の採用ページで、部署の紹介や1年の業務の流れを確かめる |
| 評価のされ方 | 数字で測られる働き方と、期日どおりに仕上げたことで測られる働き方 | 募集要項の評価制度・給与欄と、公開されている職種の説明を読む |
職種名や募集の状況は時期によって変わります。表の例は働き方の型を示したもので、特定の職種を勧めるものではありません。
表の右の列は、いずれも公開されている情報で確かめられるものです。占いの結果と違って、いつの時点の情報かがはっきりしている点が違います。
今の仕事と結果が食い違ったときの受け止め方

今の仕事が結果に出てこなかった、まったく違う職業が並んだ——そう感じたときに、結果を辞める理由に使わないことだけは先に決めておいてください。
結果に今の仕事が出てこなかったことを、否定と受け取る必要もありません。例として挙がる職業の数は限られており、載らない仕事のほうが圧倒的に多いからです。
結果を辞める理由にしない
診断は、今の職場の状況も、給与も、通勤も、人間関係も見ていません。見ていない材料が多すぎるため、退職の判断材料としては足りません。
辞めるかどうかを考えているなら、条件の書き出しを今の仕事にも当ててみてください。合っていない条件がどれなのかが分かると、転職以外の選択肢も見えてきます。
合っていない条件が1つか2つなら、働き方の調整で近づけられることもあります。異動や担当の変更を相談する材料としても、条件の書き出しは使えます。
体調がつらいときは占いより先に相談する
眠れない日が続く、朝に起き上がれない、休みの日も仕事のことが頭から離れないという状態なら、診断を試す前に相談してください。職場に産業医がいれば産業医へ、いなければ自治体の相談窓口があります。
医療・法律・お金に関わる重大な判断は、占いではなく各分野の専門家にご相談ください。
相談先が思い当たらないときは、自治体の相談窓口や公的な労働相談の窓口が入口になります。占いの結果を持っていく必要はありません。
何度も占い直すと迷いが増える
納得できる結果が出るまで試し続けると、手元に残る職業名だけが増えていきます。増えた職業名は、比べる基準がないまま並ぶことになります。
試すのは3つまでと決めて、そこから条件を取り出す作業に移ってください。
適職占いについてよくある質問
※本記事の適職占いの解釈は伝統的な解釈・心理的な観点に基づく一般的な傾向であり、科学的に効果や的中を保証するものではありません。参考の一つとしてお読みください。
まとめ|職業名ではなく、条件を取り出して使う
適職占いが出しているのは求人ではなく、性質の説明を職業名で言い換えた例です。生年月日は分類に変換され、分類ごとの説明文に職業名が添えられています。
結果が割れるのは、診断ごとに分類の数が違い、書き手が違い、扱える情報の量が違うからです。どれが正しいかを決める必要はありません。
出た職業名を3つ書き出し、人と接する量・裁量・変化の速さ・評価のされ方に言い換え、その言葉で募集要項を読む——ここまで進めば、診断の結果は実際の求人と突き合わせられる材料になります。